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個性豊かな保護猫たちとふれあう「猫庭」の宿・てしま旅館 〜中編〜

2017年12月12日 投稿
手島家の次女、姫萌(ひめも)ちゃん。猫庭の館長として、訪れた人をおもてなししています。
手島家の次女、姫萌(ひめも)ちゃん。猫庭の館長として、訪れた人をおもてなししています。

山口県にあるてしま旅館の猫庭は、飼い主のいない猫の里親探しを行う保護猫シェルター。開設して1年で100匹を超える猫たちを里親に渡し、命をつないでいます。「1匹でも多くの猫ちゃんを救いたい」と猫庭の活動に取り組み続ける手島さん家族のこと、宿を訪れた人と猫とのエピソードなどを紹介します。

取材・撮影に訪れた時は、猫庭はあいにく工事中。足場が組まれていたこともあり、外観全体は撮影できませんでしたが、猫たちの様子をキャッチした楽しい写真をお楽しみください。

猫たちのおかげで、宿には笑顔と楽しい会話がいっぱい

猫たちのおかげで、宿には笑顔と楽しい会話がいっぱい
猫庭で仲良くくっついて眠る3匹。キジトラの大吉ちゃん(右)は好奇心が旺盛で、元気な猫ちゃん。

てしま旅館に一歩足を踏み入れると、目の前に広がるのは和モダンの美しい空間。開放感あるガラス張りのロビーに進めば、保護猫たちが暮らす猫庭を眺めることができます。今秋、増築された2階スペースに目を向けると、上からこちらをじっと見つめる猫の姿も。自然と「かわいい〜」という声が出て、それをきっかけに初対面の宿泊客同士でも会話が弾みます。「猫庭ができてからは、お客様の9割は猫好きの方。猫ちゃんという共通の話題もあり、宿のスタッフとお客様とのコミュニケーションも増えました」と3代目番番頭の手島英樹さん。
宿泊客はチェックインを終えると、まず猫庭に入って猫庭館長の次女・姫萌(ひめも)ちゃんとの会話を楽しみ、夕食の時間は女将の自実(よりみ)さんやスタッフと猫談義に花を咲かせる。食後は、また猫庭で姫萌ちゃんと猫の話題で盛り上がります。おしゃれなデザイナーズ空間、美食、温泉(※)が自慢の宿ですが、メインのお楽しみは「やっぱり猫庭!」という人が多いのです。
また、この旅館は平日の午前10時から午後3時まではデイサービスの施設としても使われています。地域のお年寄りからも「猫がいるからデイサービスが楽しみになった」「猫たちを眺めるようになって、夜よく眠れるようになった」と喜ばれているそうです。

猫庭の2階スペースにいる虎次郎ちゃん。おっとりした性格の猫ちゃんです。
猫庭の2階スペースにいる虎次郎ちゃん。おっとりした性格の猫ちゃんです。

取材に訪れた日、ロビーで出会ったご夫婦は「仕事が一段落したので温泉でゆっくりしたいと思って。夫が猫庭のことを知って、この宿に決めました。猫ちゃんがみんなかわいくて、本当に癒やされました」と穏やかな笑顔で話してくれました。また、猫庭の存在を知らずに訪れた人たちがロビーで猫庭を眺めながら「犬派だったけど、猫もかわいくていいね」と話す姿も見られました。

※てしま旅館の自家源泉「源河の湯」は鉱泉で、16.2℃の源泉を加温循環して利用しています。

「猫ちゃんを守りたい」手島家の子どもたちの想い

手島さん家族。左から長女・歌七多(かなた)さん、長男・一閤(いっこう)くん、手島英樹さん、猫庭館長を務める次女・姫萌(ひめも)ちゃん
手島さん家族。左から長女・歌七多(かなた)さん、長男・一閤(いっこう)くん、手島英樹さん、猫庭館長を務める次女・姫萌(ひめも)ちゃん

「里親にはなれないから」とキャットフードや猫ベッドなどを寄付してくれる人、猫庭の掃除や猫の爪切りなどのお手入れを手伝うボランティアさんもいますが、猫たちを日々世話しているのは手島さん家族がメイン。3人の子どもたちにも、それぞれの役割があります。
姫萌ちゃんは、毎日学校から帰ると猫庭に直行して床やトイレを掃除し、猫たちの体調をチェック。その後、猫庭を訪れた宿泊客をおもてなしします。
長女の歌七多(かなた)さんは毎晩、1日の終わりの掃除と体調チェックを担当。清潔で快適な環境を保つため、週に一度は大掃除をして、すみずみまでキレイにしています。

手島さん家族は、自宅で4匹の猫ちゃんと暮らしています。歌七多さんが抱っこしているのは愛猫のごはんちゃん。
猫庭が見えるロビーで歌七多さんと愛猫ごはんちゃんを撮影。

アレルギー体質の猫や持病がある猫もいて、そのコたちに目薬や飲み薬を与えるのも歌七多さんの役目。1匹1匹の体調のちょっとした変化も見逃さないように目を配り、「あれ?おかしいな」と少しでも気になることあれば、いち早く対処しています。「私は獣医さんみたいに病気の治療はできないけれど、日々の世話をきちんとやることで猫ちゃんを守ることはできる。だから妥協しません。これは、私が猫ちゃんに約束したことなんです」と話す歌七多さん。まっすぐなまなざしには、猫たちへの深い愛情とやさしさが満ちていました。
預かっているすべての猫が猫庭にいるわけではなく、赤ちゃんの猫や新しい環境に馴染めない猫、体調を崩した猫は、猫庭とは別の部屋で暮らしています。長男の一閤(いっこう)くんが世話をしているのも、そんな療養中の3匹。話を聞くと、その3匹はトイレを寝床にしていて、おしっこやうんちをトイレ以外の場所でしてしまうそう。世話は大変ですが、「それでも猫ちゃんが大好き」と笑顔で話してくれました。
姫萌ちゃんと一閤くんは小学生、歌七多さんは高校生。学校の勉強もあり、遊びたい年頃でもありますが「テレビを見るより、ゲームやスマホをするより、猫ちゃんたちが大事」と言います。
姫萌ちゃんは猫庭の館長になって、新しい夢ができました。「小1の頃は、クレープ屋さんになりたかったけど、今は獣医さんになって病気の猫ちゃんを救いたいです」。

里親とはSNSなどで交流を続け、時にはサポートも

キャプション:子猫のさんちゃんはこの日が猫庭デビュー。それまでは別の部屋で暮らし、姫萌ちゃんが世話をしていました。
子猫のさんちゃんはこの日が猫庭デビュー。それまでは別の部屋で暮らし、姫萌ちゃんが世話をしていました。

「子どもたちも猫庭の活動を通じて殺処分の現実を知り、子どもなりに猫庭の意義を理解して、命の大切さについて考えるようになったようです。私たち家族は一人ひとりが『大切な命を預かっている』という責任の重さをしっかりと受け止め、猫ちゃんたちの世話をしています」と語る自実さん。自身も女将の仕事をしつつ、猫庭の掃除をしたり、猫のごはんを準備したりの毎日。さらに、猫を引き取った里親とはSNSなどでつながり、新しい家での暮らしぶりを写真やメールで知らせてもらいます。「みなさん写真をたくさん送ってくださるし、『迎え入れた猫ちゃんがおじいちゃんに懐いて、おじいちゃんがとても元気になった』といった喜びのメールもたくさん届きます。そんな写真やメールをいただくたびに、猫ちゃんが愛されているんだな、しあわせに暮らしているんだなと嬉しくなりますね」。
時には「こんな時どうすれば…」といった相談にものるなど、里親のサポートもする自実さん。「もし何かの事情で、猫庭から迎えた猫ちゃんを飼えなくなった場合は、うちが引き取ります。猫ちゃんのことで困ったことがあれば、抱え込まないで相談してほしいと伝えています」。

キャットウォークの上からひょっこり顔をのぞかせるキュートな姿。白黒猫は猫庭のボス的な存在のくにこさん、黒猫は甘えん坊のベリーちゃん。
キャットウォークの上からひょっこり顔をのぞかせるキュートな姿。白黒猫は猫庭のボス的な存在のくにこさん、黒猫はちょっと人見知りな次郎ちゃん。

アイデアを凝らしたキャッチコピーや名付けで1匹1匹の魅力をアピール

猫庭で自由気ままに過ごす猫たち。手前のスペースが遊び場で、奥にはトイレがあります
猫庭で自由気ままに過ごす猫たち。手前のスペースが遊び場で、奥にはトイレがあります

「猫ちゃんは1匹1匹に個性があって、どのコも魅力的です。その個性をいかにアピールするかを考え、工夫することも里親探しには大切」と手島さん。山口県の名物がうにであることから、茶系の猫には「ゴールデンうにキャット」というキャッチコピーをつけたり、自実さんと子どもたちが広島カープの大ファンで、広島からの宿泊客が多いことから猫の名前にカープの選手名をつけたり。1匹1匹の顔立ちや雰囲気にあった首輪を選んだり、いろいろ工夫しています。
猫の里親が決まると「良かった」と安心するものの、「寂しくてしんみりしてしまうこともある」と言う手島さんと自実さん。「猫と人にも相性があり、すべての猫ちゃんに里親が見つかるとは思っていません。猫庭で終身面倒をみることになる猫ちゃんがいてもいいと思っています」(手島さん)。

おとなしい性格で癒やし系のみかんちゃん。女将の自実さんが「このコは関西系のイメージだから」と、ちょっと派手めの首輪をコーディネート。
おとなしい性格で癒やし系のみかんちゃん。女将の自実さんが「このコは関西系のイメージだから」と、ちょっと派手めの首輪をコーディネート。

猫庭も宿の空間も、手島家のやさしさと温もりに包まれています

猫庭の猫たちは、手島さん家族に甘えたり、「遊んで!遊んで」とおねだりしたり。見ているだけで、気持ちもほっこりします。
猫庭の猫たちは、手島さん家族に甘えたり、「遊んで!遊んで」とおねだりしたり。見ているだけで、気持ちもほっこりします。

もともと仲がいい手島家ですが、猫庭を始めてからは会話がさらに増えて、絆もより深まったそうです。撮影中も猫の世話について話し合っていたかと思うと、誰がいちばん猫に好かれているかを親子で自慢し合ったり、終始なごやかな雰囲気でした。
歌七多さんの「猫庭の館長は姫萌で、母(女将)は総長、私が番長。一閤は姫萌の代役として館長の仕事をすることがあるけど、接客にまだ慣れていないので見習いかな」の言葉に、家族の明るい笑い声が広がりました。
猫の命をつなぐ手島さん家族の温かさ、おもてなしの心が息づくてしま旅館。猫たちとふれあい、地元の食材を使った創作料理を堪能し、温泉を楽しむ、特別な時間を過ごすことができます。

》個性豊かな保護猫たちとふれあう「猫庭」の宿・てしま旅館 〜前編〜
 個性豊かな保護猫たちとふれあう「猫庭」の宿・てしま旅館 〜中編〜
》個性豊かな保護猫たちとふれあう「猫庭」の宿・てしま旅館 〜後編〜

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