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個性豊かな保護猫たちとふれあう「猫庭」の宿・てしま旅館 〜前編〜

2017年11月22日 投稿
〜てしま旅館とは?猫庭とは? 編〜 <山口県・阿知須(あじす)温泉 てしま旅館>
手島さん家族。左から長女・歌七多(かなた)さん、長男・一閤(いっこう)くん、手島英樹さん、猫庭館長を務める次女・姫萌(ひめも)ちゃん

ここ最近、看板猫がいる温泉宿が話題ですが、山口県・てしま旅館にいるのは看板猫ではなく、さまざまな個性を持った保護猫たち。この宿では、猫庭という保護猫シェルターをつくり、飼い主のいない猫たちを世話しながら里親探しを行っているのです。
猫たちの命をつなぐてしま旅館のこと、猫庭の取り組みについて紹介します。

取材・撮影に訪れた時は、猫庭はあいにく工事中。足場が組まれていたこともあり、外観全体は撮影できませんでしたが、猫たちの様子をキャッチした楽しい写真をお楽しみください。

〜てしま旅館とは?猫庭とは? 編〜 <山口県・阿知須(あじす)温泉 てしま旅館>

デザイン空間も料理も温泉も評判の宿。でも一番人気は猫庭です

手島英樹さんと次女で猫庭館長の姫萌ちゃん
手島英樹さんと次女で猫庭館長の姫萌ちゃん

宇部市に近い阿知須(あじす)にあるてしま旅館は、和モダンなデザイナーズ空間と、地元の幸を使った創作料理、天然温泉(※)が人気の宿です。
2016年、保護猫のシェルターである猫庭をつくり、保護された捨て猫や野良猫、家庭の事情で飼えなくなった猫を受け入れるようになると、“保護猫の宿”として話題に。「今では宿泊客の9割は猫庭が目的の方です」と3代目番頭の手島英樹さんが教えてくれました。
もともとこの宿は、手島さんの祖父が昭和40年代に開業したもの。「一時はゴルフ客などで賑わいましたが、時代の変化の影響もあり、祖父から『旅館をたたもうと思う』と伝えられて。それなら私が新しいスタイルの旅館にして引き継ごうと決意したんです」。
2003年、外観はそのままに、内観をリノベーションしてデザイナーズ旅館としてオープン。以来、番頭として、料理長として、デザインと料理にこだわって経営してきました。
※てしま旅館の自家源泉「源河の湯」は鉱泉で、16.2℃の源泉を加温循環して利用しています。

キャットウォークの上にいる虎次郎ちゃん。おっとりした性格で、シャーシャーいったことも、猫パンチをしたことも一度もないとか。
キャットウォークの上にいる虎次郎ちゃん。おっとりした性格で、シャーシャーいったことも、猫パンチをしたことも一度もないとか。

「猫が苦手」だったのに、ふとんに潜り込まれて猫のとりこに

黒猫の次郎は人見知りで、兄弟猫の虎次郎(キジトラ)とは仲良し。
黒猫の次郎ちゃんは人見知りで、兄弟猫の虎次郎ちゃん(キジトラ)とは仲良し。

デザイナーズ旅館にして10年ほど経った2013年12月、子どもたちが1匹の捨て猫を連れて帰ってきました。「今は猫ちゃんがいない生活は考えられない」という手島さんですが、当時は猫が苦手でした。それでも、子どもたちの「自分たちで面倒を見るから!」と言う熱意に負けて、しぶしぶ自宅で飼うことにしたそうです。
12月は旅館がとても忙しい時期で、料理の評判も高いてしま旅館の大晦日は、おせちの準備もあって寝る時間もないほど。くたくたに疲れた手島さんが1時間ほど仮眠をとろうと横になった時、「その猫がふとんの中に入ってきたんです。温かくて柔らかくて、とても癒やされて。何か救われた気もして、一気に猫にハマリました」。
それ以来、猫が爪で柱や家具をガリガリしても「しょうがないなぁ、猫だから」と笑って許せるようになったそう。「日常のさまざまなことに対しても寛容になったし、子どもたちの成長にも猫ちゃんは良い影響を与えてくれている」といいます。

キジトラの大吉ちゃんと茶トラのコンちゃん。大吉ちゃんは人間も猫も大好き。コンちゃんは里親さんが決まったそうです。
キジトラの大吉ちゃんと茶トラのコンちゃん。大吉ちゃんは人間も猫も大好き。コンちゃんは里親さんが決まったそうです。

「猫の命を救い、地域にも貢献したい」と猫庭をスタート

猫と暮らし始めた当時の手島さんは、「てしま旅館はお客様に癒しやリフレッシュを提供しているが、それだけでなく地域や未来の世代に貢献できる場にもできないだろうか」と考えていました。そのタイミングで猫と出会い、猫の魅力にハマると同時に山口県の犬猫の殺処分数の多さも知りました。「何とかして猫ちゃんを救うことができないだろうか、未来を担う子どもたちの世代に命の大切さを伝えるために何かできないだろうか」と考え、思いついたのが猫庭でした。
インターネットで寄付を募るクラウドファンディングで資金を集め、JRの貨物に使うコンテナを2個購入して猫庭を製作。内装は猫たちが暮らしやすいように床・壁の全面を木材にし、側面をガラス張りにして自然光が入るようにしました。冷暖房も完備していますが、自然の風が入るようにもなっています。
猫庭は当初、文字通り旅館の庭で保護猫が暮らせるようにしようと考えていましたが、旅館の前には道路があり、猫が出てしまうと危険です。そこで現在のようなカタチになりました。
「猫はキレイ好きで、人間みたいに毎日お風呂に入らなくてもイヤな匂いがほとんどしませんよね。猫庭の内装は、猫を飼ったことがない人にも、そんな猫の良さを伝えられるような空間づくりにこだわりました」。

黒猫のバロンちゃんは人が苦手だけど、猫にはやさしい性格。男の子なのに子猫におっぱいをあげたりするそう。
黒猫のバロンちゃんは人が苦手だけど、猫にはやさしい性格。男の子なのに子猫におっぱいをあげたりするそう。

約1年で100匹以上の命をつないでいます

猫庭の2階スペースには、猫用のボルダリングもあります。猫ベッドや爪とぎなどは「里親にはなれないから」という人から寄付されたものも多いそう。
猫庭の2階スペースには、猫用のボルダリングもあります。猫ベッドや爪とぎなどは「里親にはなれないから」という人から寄付されたものも多いそう。

最初は、旅館の経営と猫庭の活動を両立できるのか不安だったそうですが、2016年6月に猫庭を開設すると、SNSやメディアでも話題を呼び、全国から猫好きの人たちが多く訪れるようになりました。宿泊客数も増え、その収益は保護猫にも充てています。
宿泊客は猫庭に入ることができ、猫庭館長の次女・姫萌(ひめも)ちゃんとともに、猫たちとのふれあいを楽しみます。姫萌ちゃんは「このコは人も猫も大好き」と1匹ずつ個性を教えてくれたり、「この猫ちゃんは近所の会社で保護されたから、その会社の名前から名付けました」といったエピソードを話してくれます。宿泊を機に里親になる人もいて、中には猫庭の存在を知らずに宿泊した人から後日「里親になりたい」と連絡が入り、猫ちゃんを迎えに来たこともあったそうです。
譲渡会も定期的に開催しており、約1年で100匹以上の猫たちを里親に渡すことができました。より多くの猫の命を救おうと、2017年秋には二階建てに増築もしました。

自然の風を入れるための網戸も設置。よじ登っている黒猫のベリーちゃんは甘えん坊で好奇心旺盛。現在は里親さんのもとで暮らしています。
自然の風を入れるための網戸も設置。よじ登っている黒猫のベリーちゃんは甘えん坊で好奇心旺盛。現在は里親さんのもとで暮らしています。

猫を眺め、ふれあい、ほっこりする癒やしのステイを

ベッドの下にいるみしろちゃんは人見知りの美猫。上にいるサビ猫のみかんちゃんは、おとなしい性格で癒やし系です。
ベッドの下にいるみしろちゃんは人見知りの美猫。上にいるみかんちゃんは、おとなしい性格で癒やし系です。

猫庭の猫たちは、足にスリスリするコもいれば、2〜3匹でくっついて眠っていたり、キャットウォークの上でくつろいでいるコもいます。子猫や新入りの猫の世話をする面倒見のいい猫がいたり、そばに来た猫にちょっかいを出して猫パンチされるコがいたり。ずっとここにいて猫たちの様子を眺めていたくなります。「メンバーが変わると猫庭の雰囲気も変わりますが、みんなのびのび暮らしていますね」(手島さん)。
今回、撮影をお願いした猫写真家の関 由香さんも「猫庭の猫ちゃんはどのコも穏やかで、みんな仲が良いですね。新入りの猫ちゃんにシャーシャー言うコもいなくて、すぐに新しい仲間を受け入れている。そういうのは珍しいと思います。猫ちゃん1匹1匹に個性があって、かわいくて、撮影しながら私も癒やされました」と猫庭の印象を話してくれました。

かわいい保護猫たちとふれあい、癒やされ、料理と温泉も楽しめるてしま旅館に出かけてみませんか。もしかすると、運命のコとの出会いがあるかもしれませんよ。

左の白黒猫はくにこさんで、猫庭のボス的な存在。みしろちゃん(中央)は、抱っこが好きじゃないけど、人に攻撃もしないそう。サビ猫の集(しゅう)ちゃんは最近、人に慣れてきたところ。
左の白黒猫はくにこさんで、猫庭のボス的な存在。みしろちゃん(中央)は、抱っこが好きじゃないけど、人に攻撃もしないそう。サビ猫の集(しゅう)ちゃんは最近、人に慣れてきたところ。

さまざまな猫たちが暮らす、てしま旅館の「猫庭」。手島さん家族の「保護猫たちに幸せになってほしい」という想い、愛情に支えられながら、里親さんとの出会いを待っています。
「猫庭」で暮らす猫ちゃんたち、手島さん家族に応援メッセージを届けませんか。
みなさんからの温かいメッセージや楽しいコメントをお待ちしています!

てしま旅館の猫ちゃんたちに応援コメント募集中!

関由香(せき・ゆか 猫写真家) PHOTO: 関由香(せき・ゆか 猫写真家)
長野県生まれ。2003年の第4回新風舎平間至写真賞「島のねこ」優秀賞受賞を経て、2007年より独立し「関 由香 写真事務所」を設立。
「くすりと笑えるエッセンスと温かみ」をテーマに、猫の姿や猫のいる風景を追い求めて活動している。
代表作は『ねこinアジア』(ファミマ・ドット・コム)、『南のねこじまTAKETOMIJIMA』(ブライト出版)など多数。



(関 由香さんコメント)
猫庭の猫ちゃんたちの写真を見て、笑顔になっていただけると嬉しいです

子どもの頃に捨て猫を保護して一緒に暮らし始めて以来、猫ちゃんが大好きです。猫ちゃんの姿は凜としていて、自由気ままで、やさしくて、とても賢い。それでいて、行動がどこかとぼけていて、何気ないしぐさがユーモラスで、私たちを笑顔にしてくれます。暮らしの中に猫ちゃんがいるだけで、会話も弾むし、癒やされるし、「しあわせだなぁ」と感じさせてくれる。そんな猫ちゃんのパワーってすごい!といつも思っています。
猫庭の撮影で印象的だったのは、みんなほどよい距離を保ちつつ、仲良く穏やかに暮らしていたこと。メンバーの入れ替わりがある中で、きっと猫同士が「仲良く暮らすコツ」みたいなものをわかっているんだなと感じました。また、1匹の猫ちゃん(ベリーちゃん)が新入りの子猫ちゃんに近づいて鼻をクンクン・スリスリして挨拶し、すでにいるメンバーとの仲介役になっていて、そのやさしい姿にも心温まりました。個性豊かな猫ちゃんたちのユーモラスなしぐさや表情、温もりある猫庭の雰囲気などを、写真を通じてお届けできればと思っています。

(関由香さんのお気に入りの写真)
関由香さんのお気に入りの写真1
関由香(せき・ゆか 猫写真家)「猫ちゃんって、人間が見て思わず笑っちゃうような行動をとりますよね。これはそんな写真です。猫ちゃんが背中に乗っちゃった姫萌ちゃんと、それを見ている歌七多ちゃんの笑顔がとても良くて。この写真を見た人も楽しい気分になるのではと思い、選びました。人間は笑っていても、猫ちゃん自身は『われ関せず』な表情で、そこも気に入っています」
関由香さんのお気に入りの写真2
関由香(せき・ゆか 猫写真家)「子猫ちゃんの鼻をクンクン・スリスリして挨拶する黒猫のベリーちゃん。そのやさしい表情がとてもいいなと思い、選んだ写真です。まるで本当の親のように、愛おしそうに子猫ちゃんを世話している姿は、今でも印象に残っています」
関由香さんのお気に入りの写真3
関由香(せき・ゆか 猫写真家)「まるでお手本のような肉球が撮れました。キレイなピンク色で、ぷにぷにして、触ると気持ち良さそうな肉球です。今回の撮影では、猫ちゃんたちになかなか肉球を撮らせてもらえなかったので、この写真が撮れて私自身も嬉しかったです」
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